☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「……」


「……おい、そこで無言になるなよ。俺にだって、嫌いなものくらいあるぞ」


「いや、そこじゃなくて……」


「喧嘩するほど、仲が良いって方か?だって、その通りじゃないか。嫌いな人間とわざわざ、喧嘩するか?……しねーだろ」


白衣を脱ぎ、彼は背伸びする。


「仕事終わりに電話がかかってきて、何事かと思ったけど……何だ、誘拐か。なら、大したことねーな」


白衣をはたき、きれいに折り畳む。


はたいた衝撃で、中ポケットから何かが落ちてくる。


「お、わりぃ」


傍にいた桜がそれを手に取り、固まった。


そして、


「銃刀法違反!」


と、叫ぶ。


そう、落ちてきたものというのは、タバコと拳銃。