☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「―お、相馬、見っけ」


現れたのは、


「健斗さんに言われて、来たんだが……」


白衣を着た、見慣れた男性。


「勇真さん!?」


沙耶の、義兄であった。


「久しぶりだなー、相馬!沙耶と喧嘩してんだって?うまくいっているようで、何よりだよ」


喧嘩しているときいているくせに、それがうまくいっているというのはどういう考え方なのか。


「いや、喧嘩しているんですけど……」


「喧嘩するほど、仲が良いと言うだろう?俺なんて、麻衣子と一週間に一回は必ず、喧嘩するよ。あいつ、しつこくてさ。俺が謝らない限り、絶対に口を利いてくれないの。晩飯なんて、俺の大嫌いなパクチーやグリーンピースだらけにしやがる。妻ってのは、最強だよなー」


麻衣子というのは、彼の愛妻である。


彼は麻衣子さんとの間に、二人の子供をもうけている。