☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「拳銃!?沙耶、そんなもんまで、扱えんの!?どんだけ、ハイスペック人間だよ!」


桜の渾身な突っ込みに、俺は苦笑いを返す。


「沙耶は、なんでもできるよ。一人で生きていけるくらい、何でもできすぎるんだ」


だから、甘えることを知らない。


「ともかく、沙耶に無理はさせられない。身体のこともあるしな」


その場の全員が、うなずく。


「……相馬、沙耶の身体のことで慌てなくなったね?どんな心境の変化?」


動き始めたみんなのなかで、夏翠が笑いながら、聞いてきた。


「変化とかじゃねぇよ。ただ……気にするだけ、負けな気がするんだよ」


「フフッ、沙耶に対しては、それが正解でしょうね」


沙耶の扱い方とかじゃない。


沙耶は沙耶なりの生き方があるんだ。


俺は沙耶のすべてに惚れ、沙耶を愛してる。


そう言えるんだから、その事実を見間違えないように、この先も共に生きたいと思う。


みんなが動くなかで、辺りを見回す。


「そうだ、夏翠。双子たちは……」


―ガチャリ。


夏翠を振り返ったとき、勝手に開いた扉。