☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「そうか。でも……」


「場所は、港沿いの倉庫B棟だ。沙耶はそこに向かった」


「えっ、沙耶に逢ったの……?」


どうやら、俺らが喧嘩している(喧嘩と呼んでいいのか、わからない)ことは、みんな知っているらしい。


「いや……逢ってはない。けど、父親に会いに行ったあと、獲物を持って出ていったらしいから」


「獲物?」


これは、法に触れないためのひとつの暗号。


「拳銃だよ」


そう、沙耶は獲物を引くことに、何の躊躇いもない。


だって、そうやって、育てられてきたのだから。