■相馬side□



健斗さんから、差し出されたヒント。


何日も会っていなかった。


それが、沙耶の心を不安にしたんだ。


『お前に儀式を受けさせるつもりはない』


―あいつは、頑張ろうとしてくれたのに。


耐えようと、呑み込まれても大丈夫と、言ってくれたのに。


俺は、あいつを失わないことばかり考えて、あいつの強さと脆さが隣り合わせであることを忘れていた。