☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



『君は、僕の娘。沙耶と同じくらい、大事なんや。だから、ちゃんと甘えてな?』


遠慮する幼い子に、心からそう言えば。


柚香は嬉しそうに笑い、そして、泣いた。


そんな柚香も沙耶と同様に嫁ぎ、寂しくなった途端、これだ。


昔からよく問題を起こすペアだったが、ここまでとは。


「送信完了、と」


沙耶にも、柚香にも、大樹にも、勇真にも、昔から、自分の後始末は自分でするように教えてきた。


どうしてもできないときは、手伝ってやるからと。


沙耶と大樹以外、全く、血の繋がりのない四人は仲良く育ち、あんな子供になってしまった。


大樹は、跡継ぎとして有能。

だが、不安定。


勇真は久貴に似て、人望があり、医者としての腕も良い。まるで、かつての久貴のようだ。

だが、異常さが滲み出ている。(元暴走族のトップだからかもしれないが)


柚香は品行方正、完璧な淑女に成長した。

だが、たまにぶっとんだ提案をしてみたり、天然な爆弾発言を連発する。


最後に、我が娘の沙耶である。

自分に似てしまったせいか、見ていて、色々とあれだ。

雑で、面倒くさがり屋で、でも、何でもできて。
(別に自分が何でもできるとは思っていないが、我が子供たちは、異常なほどに何でもできる)

容姿はユイラに似たし、(目元は僕やけど)運動神経も悪くない。

成績も全然悪くなく、柚香と共に高校時代は上位にいた。(それどころか、目をつけられると面倒だからと、わかる解答欄を開ける始末)

知れば知るほどに自分にそっくりすぎて、(自分の過去と滅茶苦茶、重なる)何も言えなかった。


別に非行をしているわけでもないので、放っておいたら……何故か、相馬と結婚した。