『君は、僕の娘。沙耶と同じくらい、大事なんや。だから、ちゃんと甘えてな?』
遠慮する幼い子に、心からそう言えば。
柚香は嬉しそうに笑い、そして、泣いた。
そんな柚香も沙耶と同様に嫁ぎ、寂しくなった途端、これだ。
昔からよく問題を起こすペアだったが、ここまでとは。
「送信完了、と」
沙耶にも、柚香にも、大樹にも、勇真にも、昔から、自分の後始末は自分でするように教えてきた。
どうしてもできないときは、手伝ってやるからと。
沙耶と大樹以外、全く、血の繋がりのない四人は仲良く育ち、あんな子供になってしまった。
大樹は、跡継ぎとして有能。
だが、不安定。
勇真は久貴に似て、人望があり、医者としての腕も良い。まるで、かつての久貴のようだ。
だが、異常さが滲み出ている。(元暴走族のトップだからかもしれないが)
柚香は品行方正、完璧な淑女に成長した。
だが、たまにぶっとんだ提案をしてみたり、天然な爆弾発言を連発する。
最後に、我が娘の沙耶である。
自分に似てしまったせいか、見ていて、色々とあれだ。
雑で、面倒くさがり屋で、でも、何でもできて。
(別に自分が何でもできるとは思っていないが、我が子供たちは、異常なほどに何でもできる)
容姿はユイラに似たし、(目元は僕やけど)運動神経も悪くない。
成績も全然悪くなく、柚香と共に高校時代は上位にいた。(それどころか、目をつけられると面倒だからと、わかる解答欄を開ける始末)
知れば知るほどに自分にそっくりすぎて、(自分の過去と滅茶苦茶、重なる)何も言えなかった。
別に非行をしているわけでもないので、放っておいたら……何故か、相馬と結婚した。


