□沙耶side■
「……柚香は?」
私の声が、響く。
広い部屋の中、帰ってきた双子を抱いて。
「柚香様は、どこかに用事があると仰有って……別れたきり……」
「行方不明、と?」
感情がささくれたつ。
怒りとか、申し訳なさとかが、溢れだす。
「……居場所は」
「現在、御園、姫宮、千羽、楪、神宮寺があぶり出しております」
「まだ、時間はかかりそうなの?」
「なんとも言えません。しかし、見つけ次第、出来る限りの警備隊を総動員させるそうです」
「……」
見つけ次第。
それは、つまり、柚香の身の危険を示す。
恐らく、柚香が拐われたのは、私の代わりだ。
そして、その柚香を助け出すため、本来は私が動かなければならないのに、夏翠たちが動いてる。
「沙耶さまは大人しくなさいませ。折角、直樹さまが……」
私が、治りきれない病の一つ。
ストレスのせいで起こる、発作。
先程もそれが起こり、主治医である夏翠のお父さん、直樹さんに止めてもらった。
「……双子が戻ってきたから、発作はもう、起こさないわよ。双子が無事なら、こちらも動きようがあるし」
人質が、柚香だけ。
それだけでも、やれることは増える。
「……柚香は?」
私の声が、響く。
広い部屋の中、帰ってきた双子を抱いて。
「柚香様は、どこかに用事があると仰有って……別れたきり……」
「行方不明、と?」
感情がささくれたつ。
怒りとか、申し訳なさとかが、溢れだす。
「……居場所は」
「現在、御園、姫宮、千羽、楪、神宮寺があぶり出しております」
「まだ、時間はかかりそうなの?」
「なんとも言えません。しかし、見つけ次第、出来る限りの警備隊を総動員させるそうです」
「……」
見つけ次第。
それは、つまり、柚香の身の危険を示す。
恐らく、柚香が拐われたのは、私の代わりだ。
そして、その柚香を助け出すため、本来は私が動かなければならないのに、夏翠たちが動いてる。
「沙耶さまは大人しくなさいませ。折角、直樹さまが……」
私が、治りきれない病の一つ。
ストレスのせいで起こる、発作。
先程もそれが起こり、主治医である夏翠のお父さん、直樹さんに止めてもらった。
「……双子が戻ってきたから、発作はもう、起こさないわよ。双子が無事なら、こちらも動きようがあるし」
人質が、柚香だけ。
それだけでも、やれることは増える。


