「待てっ!沙耶!!」


「うっさい!追いかけてくんな!分からず屋!!」


庭で、車の鬼ごっこが始まるのだ。


「和貴、あいつ無視しろ」


「は?し、しかし……」


「いいから。飛ばせ」


少々、いや、かなり、性格があれなお嬢様は、自分につけられた護衛に命じ、車で家を飛び出した。