『見て、咲いたよ!』
幸せそうに笑った少女は、隣の少年を手を握った。
『私達の、幸せの花!』
少女の笑顔に、少年も笑みを深める。
『……幸せにしてくれて、ありがとう』
気が遠くなる時を、
私達は生きる。
永遠を、生きる。
『してくれて、じゃないよ』
『そうだね。幸せになるんだよね』
―花の香りがする。
光に包まれて、風が舞い上がる。
『おいで』
あなたと手を取り合って。
ただ、未来だけを見て。
すべてを捨てて、愛のためだけに。
『あなたさえいれば、何も要らない』
―少女はそう言って、少年の腕に飛び込んだ。


