「長生きよね、御園の人間って」
「そりゃあ、生きなきゃな。俺も少しでも長く生きて、お前を愛していたいし」
「……私は、何歳が限度かしら」
笑う憂霞はまだ、26という若さで。
双子は、今年で7歳だ。
「長く生きてくれよ。頼むから」
「分かっているわ」
夢の中のあの人は、
隠した心を優しく暴いた。
そして、迷いを祈りに変えた。
「唯人」
彼の名前を呼んだ。
意味は、≪ただ一人の人≫
沙耶さまがどういう意味を込めて、こんな名前にしたのかはわからない。
けれども、そこに愛はある。
「……沙耶さまのように、生きたいな」
「あ?」
「自分の人生を、悔いなく生きたい」
憂霞は、唯人に近づいて。
「貴方の、隣で」
静かに、微笑んだ。
それを見た唯人も、頬を緩めて。
「ああ」
優しく、頷く。


