☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「長生きよね、御園の人間って」


「そりゃあ、生きなきゃな。俺も少しでも長く生きて、お前を愛していたいし」


「……私は、何歳が限度かしら」


笑う憂霞はまだ、26という若さで。


双子は、今年で7歳だ。


「長く生きてくれよ。頼むから」


「分かっているわ」


夢の中のあの人は、


隠した心を優しく暴いた。


そして、迷いを祈りに変えた。


「唯人」


彼の名前を呼んだ。


意味は、≪ただ一人の人≫


沙耶さまがどういう意味を込めて、こんな名前にしたのかはわからない。


けれども、そこに愛はある。


「……沙耶さまのように、生きたいな」


「あ?」


「自分の人生を、悔いなく生きたい」


憂霞は、唯人に近づいて。


「貴方の、隣で」


静かに、微笑んだ。


それを見た唯人も、頬を緩めて。


「ああ」


優しく、頷く。