―……周囲がとても心配する沙耶の御園家への嫁入りの懸念は、正直、沙耶本人の頭の中にはなく、 儀式も、提示されたことも、すべて完璧にこなした沙耶は、遠くない未来、御園千波に続く、“支配者”となる。 そして、夫の相馬を愛し、相馬に愛され、子を七人も産み落とし、御園の歴史に名を遺す。 完全なる、御園の中の“支配者”、“統率者”として。 外は、相馬に。中は、自分で。 まるで、双翼のような二人は、遺される。