☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「そっか」


私は顔を埋めたまま、頷く。


「力がある方がいいか?」


「ううん、別に」


あなたと生きられるのなら……。


「……相馬が一緒なら、どこでも……地獄でも良い」


上向いて、微笑む。


すると、優しくキスを落とされて。


「ありがとう」


腰を引き寄せられ、気がつけば、逃げられなくて。


「ちょっ……みんな、いるから」


「今更?」


そうかもしれないけど。


一応、申し訳ないじゃん?


「なんの問題もないよ。みんな、いないから」


そう言われて、見渡せば。


みんな、バラバラに過ごしてて。


「な?だから……ほら」


身を屈められて、端正な顔が近づく。


「ほ、ほらって……」


私は、軽く背伸びした。


そして、触れるだけのキスをする。


すると、優しい笑顔が見えて。


(ヤバイなぁ……)


この人の愛は心地良くて、私はふわふわした気持ちにさせる。


彼に抱かれていようと、子供を産んでいようと、結婚はしていないのに。


沙耶は、幸せのため息をつく。