☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




私は真っ正面から抱きついて、彼をギューッと、抱き締めた。


「……暖かい」


「……」


生きている証。


私は、生きている。


「………………儀式をするなら、メディアもだぞ」


「ん」


「もう、逃げられない」


「ん」


「いや、逃がさないが、正しいか?」


「フフッ、そうね」


人を愛すことは、自然の摂理。


一度、音を立てれば、それは加速して止まらない。


「俺と共に、闇で生きれるか?」


沢山の人間が壊された、あの魔窟で。


私は、彼の胸に顔を埋めた。


「貴方が、私を守ってくれるなら」


「守るよ。今の世だけだが、この力も使って」


「……今の世?」


「来世では、無くなるだろうからな」


「…………そうなの?」


ずっと、受け継がれるものだと思ってた。


だって、魂で継承されていくんだと思っていたから。


「お前を守るためだけの力だぞ?人間として生きる今、人外の能力は必要ない」


子供には、継承され無いだろうけど。