「……一緒に、償っていこうね」
「……」
「姫の罪も、私達の罪も」
一緒に生きられる時は、短かった。
けれど、確かにそこに、愛はあった。
「幸せになって、言いに行こう?私達の背中を押してくれた、前世のみんなに。そして、今度は私達が来世の自分の背中を押すんだ」
「……」
「“今度は、貴女が旅する番よ”って」
それが、証明できるから。
「……そうだな」
「へへっ」
抱き締められたから、抱き締め返す。
この心は、私の……沙耶のもの。
なら、どうして、私は彼の温もりを覚えてるの?
簡単。
何故なら、魂で繋がってるから。
『私は、幸せだよ。貴女が、愛されてくれたから。深く、深く、愛されて……大事にされたから。だから、私は幸せだと言えるわ。迷っても良いから、大切なものは手放さないで、私の旅は終わったから……今度は、貴女が旅立つ番よ』
どこかで、夕蘭に言われた台詞。
“迷っても、良いから”
……そうだよね。


