☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「……一緒に、償っていこうね」


「……」


「姫の罪も、私達の罪も」


一緒に生きられる時は、短かった。


けれど、確かにそこに、愛はあった。


「幸せになって、言いに行こう?私達の背中を押してくれた、前世のみんなに。そして、今度は私達が来世の自分の背中を押すんだ」


「……」


「“今度は、貴女が旅する番よ”って」


それが、証明できるから。


「……そうだな」


「へへっ」


抱き締められたから、抱き締め返す。


この心は、私の……沙耶のもの。


なら、どうして、私は彼の温もりを覚えてるの?


簡単。


何故なら、魂で繋がってるから。


『私は、幸せだよ。貴女が、愛されてくれたから。深く、深く、愛されて……大事にされたから。だから、私は幸せだと言えるわ。迷っても良いから、大切なものは手放さないで、私の旅は終わったから……今度は、貴女が旅立つ番よ』


どこかで、夕蘭に言われた台詞。


“迷っても、良いから”


……そうだよね。