☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「だから、儀式、お願いね?」


まだ、終わっていないもの。


彼の本当の妻になるためには。


「沙耶……」


「心配要らないわ。だって私は、父さんの娘だし。あんたに愛されていると、自負しているもの」


心配そうな彼の声に、私は微笑む。


「生きたいから、儀式をしたい」


「……」


「貴方の横で、一生、貴方に愛される妻として」


「……」


「ね?相馬?」


「……わかったよ」


彼はため息をつくと、私の頭を撫でた。


「今更、お前のことは手放せねぇしな。悠哉たちもいるし……一生、一緒に生きるには、それしかねぇんだよな」


儀式に耐えられず、亡くなった人間は多くいる。


それを知っているからこそ、彼は踏み出せない。


「私を信じて。相馬」


だから、私は答えるよ。


貴方が信じてくれたなら。


「私はあなたを愛してて、あなたは私を愛してくれていると自負しているからこそ、私は儀式を受ける決心がついたのよ?あなたも私を信じてくれないと、フェアじゃないわ」


胸を張って、貴方の横に立つために。


「自分の身くらい、自分で守る。ようやく見つけた、安心できる場所だもの。誰にも、譲ってなんかやらないわ」


私は、力が欲しいんだ。