☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




甲斐が音を奏で始めると、それに乗っかって、相模が歌を歌う。


「綺麗な声……」


男の人の声とは、思えないレベルだ。


「神の声だからな。何だっけ、“仙界の調べ”」


横に来た相馬は、そんなことを呟く。


「……ねぇ、もしかしなくてもさ、子供たち、寝かせるためにやってたでしょ。これ」


「じゃなきゃ、大人が持たねぇだろ」


「まぁ、良いけどね……あんたは、なにもしてないと思うんだけど」


「した。ベットを作った」


「子供たちの面倒を、って、話なんだけど」


相変わらずな夫を横目で見て、私は苦笑。


「……ねぇ、」


「ん?」


「さっきのことなんだけど」


「……ああ」


私の言葉で気づいた、相馬。


私は少し、彼に寄りかかり、口を開いた。