「ほら、仕事だぞ」
相模と甲斐に目配せした相馬は、蔦で椅子を作って。
「頼んだぞ、子守唄」
と、言った。
「子守唄ですか……」
狼狽える相模に、
「相馬、これ、お尻が痛いよ」
文句を言う、甲斐。
「蒼生」
甲斐の言葉にため息をついた相馬は、蒼生を見た。
「はいはい」
葵は空に手を翳すと、絡めとるみたいに手を動かして。
降りてきた雲を、掴む。
「え、あれ……?雲ってさ、水の固まりだよね……?」
驚く私に、蒼生は言う。
「俺の力だよ。何か、固められるって言うか、クッションになるんだよね。使い方次第で」
それを甲斐に渡し、甲斐は腰を下ろす。


