「お前も来い、沙耶」
「ん……」
差し出された手を取り、立ち上がる。
「沙耶ー!」
桜たちに迎えられ、その場に行くと。
「うわっ!何これ!?」
キラキラと光る滴が、空中で止まってて。
「綺麗でしょー」
桜が氷の雫に触れ、笑った。
「もしかして……」
「そ!氷月の力!」
あの力を、こんな風に使うなんて。
「創造力、豊かね。桜」
「どうせなら、楽しまないとね」
誰よりも一番、不幸な目に遭ってきたのに。
誰よりも一番、幸せになる方法を知っている子。
「行くぞー」
相馬の方を見ると、相馬は地に手を付いて。
グンッと、何かを引っ張りあげた。
刹那、延び上がる蔦。


