☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「お前も来い、沙耶」


「ん……」


差し出された手を取り、立ち上がる。


「沙耶ー!」


桜たちに迎えられ、その場に行くと。


「うわっ!何これ!?」


キラキラと光る滴が、空中で止まってて。


「綺麗でしょー」


桜が氷の雫に触れ、笑った。


「もしかして……」


「そ!氷月の力!」


あの力を、こんな風に使うなんて。


「創造力、豊かね。桜」


「どうせなら、楽しまないとね」


誰よりも一番、不幸な目に遭ってきたのに。


誰よりも一番、幸せになる方法を知っている子。


「行くぞー」


相馬の方を見ると、相馬は地に手を付いて。


グンッと、何かを引っ張りあげた。


刹那、延び上がる蔦。