☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3





「幸せも、悲しみも、量が決まっているんだね。私は、幸福者だよ。本当に……あんたがいて、悠哉と茅耶がいて、友達もいて、家族もいて。幸せじゃないはずがない」


恵まれている。


この立ち位置で、私ができることはなんだろう。


「私、頑張るからね」


「……」


「あんたの妻として、死ぬまで、胸張って生きられるように」


与えられたものを、返したい。


例え、等しくはなくても。


貴方が与えてくれたものを、私はみんなに与えたい。


貴方に、返したい。


「「パパー!ママー!」」


遠くから、愛し子たちが呼ぶ。


私はそれを見て、頬を緩めた。


「私ね……ううん、夕蘭はね、」


リンクする。


重なりあう記憶で、“キミ”が望んだこと。


「草志と、こんな風に生きたかったんだと思う」


「……」


「何気無い、毎日で良いから……ゆっくり、例え、流れる時間が等しくなくても。死ぬまで、傍にいたかったんだよ。こうやって、何気ない会話で笑いあって、喧嘩して、触れ合って。“当たり前”の幸せが欲しかったんだよ」


叶わなかった、尊き夢。


それは、この現し世で。