☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「綺麗ね、どうしたの?これ」


気づいた母さんが、伊織さんに尋ねました。


因みに、私の産み母である、目の前にいる彼女は48歳という若さです。


すでに、29歳の子供がいるのに。


「あ、こ、これは……」


言葉を濁す辺り、やはり、何かありそうです。


おまけに、お母さんを含め、それに気づいた模様です。


「誰かに……貰ったの?」


その言葉に、伊織さんは頷きました。


「ええ!?誰に!?」


……私はそんな声を背後に、部屋を出ます。


すると、廊下で、悠哉兄さんと会いました。


「伊織さん、来てるよ」


「……知ってる」


「会わないの?」


私の言葉に、兄は自嘲しました。


「会えるわけ、ないだろ?」と。


阿呆ですかね。


狂おしいほど愛しているならば、伝えれば良いのに。


冬馬兄さんを含め、我が兄達は意気地無しです。