☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「あら、兄さんたち。どこ行くの?」


「どこも行かねぇよ。ただ、葵が……」


「義姉さん、どうかしたの?」


葵とは、冬馬兄さんの最愛の奥さんです。


愛されているせいか、子供をたくさん授かっています。


既に、三人の子供がいます。


「彬(あきら)と環(たまき)と優依(ゆい)と四人で庭で遊んでるはずなんだが、待ってても、戻ってこねぇんだよ。冷えてきたから、家に入れと言おうと思ってな」


「外、意外と暖かいわよ?」


「そうか?」


寒がりな、兄さん二人です。


「子供は風の子だもの。いくら遊んでも、寒くないと思うわ」


……こんな調子で、新婚の雰囲気から抜け出せていません。冬馬兄さんは。


こんな、幸せそうなら、良いのです。


ただ……悠哉兄さんは……。