「―まぁまぁまぁ!お久しぶりです!」
そんな声を聞きながら、私は首をかしげました。
この家に、久しぶりに訪れる人間に思い辺りがなかったからです。
2歳上の20歳となった千鶴姉さんは、拓斗さんと幸せそうですし、
4歳上の24歳となった美耶姉さんも、絋さんと相変わらずな日々を過ごしています。
8歳上の冬哉兄さんは良いことが立て続けに起こっているせいか、不気味なくらいにご機嫌で、御園所有のマンションに妻と暮らし始めました。
11歳上の、この家で生まれた唯一の純粋な茅耶姉さんは、煌さんの帰国後、すぐに妊娠し……とても、笑顔に満ち溢れた生活を過ごしています。
この家で、問題なのは……
「―真耶?」
私は名前を呼ばれて、振り向きました。
そこにいたのは、11歳上の悠哉兄さんと、7歳上の冬馬兄さんです。
彼らは、変わりました。
もう、幼い頃の、私が知っている彼らではありません。


