☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3





「―まぁまぁまぁ!お久しぶりです!」


そんな声を聞きながら、私は首をかしげました。


この家に、久しぶりに訪れる人間に思い辺りがなかったからです。


2歳上の20歳となった千鶴姉さんは、拓斗さんと幸せそうですし、
4歳上の24歳となった美耶姉さんも、絋さんと相変わらずな日々を過ごしています。


8歳上の冬哉兄さんは良いことが立て続けに起こっているせいか、不気味なくらいにご機嫌で、御園所有のマンションに妻と暮らし始めました。


11歳上の、この家で生まれた唯一の純粋な茅耶姉さんは、煌さんの帰国後、すぐに妊娠し……とても、笑顔に満ち溢れた生活を過ごしています。


この家で、問題なのは……


「―真耶?」


私は名前を呼ばれて、振り向きました。


そこにいたのは、11歳上の悠哉兄さんと、7歳上の冬馬兄さんです。


彼らは、変わりました。


もう、幼い頃の、私が知っている彼らではありません。