「その……それで、約束は?」
「ん?ああ、お願い事?」
私は、考える振りをした。
もう、決まっているけど。
「唐突で悪いんだけど、貴方、私を守れるかしら?」
訊ねると、彼は目を丸くした。
「話が見えないんだが……」
「私を、一生」
「……」
彼のとなりが、欲しいから。
「私の夫に、なってみる気ない?」
微笑めば、
「ええ……っ!?」
彼は、驚いた声をあげた。
「なっても良いなら、私に誓って。ダメなら、帰って良いから」
「……」
「人生の選択だもの。どうする?」
「……」
彼は、悩んでた。
当たり前だ。
人生の区切りを、こんなに簡単に決められない。
すると、彼は照れたように顔を赤くして、私から目をそらす。
そして、言った。
「……3年前、一目惚れしたって言ったら、どうする?」
と。


