☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「うちの会社しか使えないけど、和貴に紹介してもらってちょうだい」


「……」


私を見上げる彼に、私は告げる。


「誰にでもするものじゃないわよ。貴方が初めて」


「……っ、変な奴だな」


「そうかしら?」


兄弟よりは、まともだと思うのだが。


「………………さっき、叫んで悪かった」


彼は私にそう言った。


私は、微笑んで。


「悪いと思うのなら、弟を守ってあげてね」


兄姉が私たちを可愛がってくれるからか、私も兄弟というものにはつい、手を貸してしまう。


「そして、いつか、返しに来て。お金じゃなくて、そのカード」


「……は、ほんと、変わった女だ」


彼は笑う。


その笑顔に、私は惹き付けられる。


これぞ、一目惚れ。


どれだけ格好良かろうと、どれだけ綺麗だろうと、私は興味がないの。


貴方に……貴方の金の瞳に、私は惹き付けられるの。



「その時、ね」


彼の顎に触れ、それを持ち上げて、私がニヤリと笑ったとき、車が近づいてきた。