☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「……ねぇ」


私は、大きい男の子をこづいた。


「うっ……」


呻き声をあげながら、黒髪の少年は顔をあげる。


瞬間、何かを感じた。


彼の瞳に、惹かれたのだ。


でも……その前に。


傷だらけで、泥だらけ。


孤児院から、逃げてきたのか。


私を確認した少年は、私の伸ばした手を振り払う。


「触るな……っ!」


警戒心丸出しの、男。


嫌悪感丸出しにされるのは、慣れてるけど……。


「……その子、大丈夫?」


私は、小さい男の子の安否が気になる。


昔から、子供らしくないとか、慈悲がないと言われてきたけど、心配なものは心配だ。


「累斗(るいと)、累斗……!?」


私の言葉で、小さい少年を揺する男の子。


「……見せて」


傷だらけで、発熱している。


これは……。


「自然の傷じゃなくて、人災?ってことは……」


この二人は、孤児院から抜け出してきたわけではないのか。