☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「……」


自慢ではないが、私は別に怖いと思ったことがない。


お化け屋敷は平気だし、勿論、心霊系も大丈夫。


虫だって、何ともないし……


人間関係は、築いてないから。


怖いものはないはずだ。


驚くこともないはずだ。


なのに、人が家の前で倒れていたのには、驚いた。


助けるべきか、否か、迷う。


コレが罠だったら、父さんに怒られるし。


でも……見捨てた方が、後味悪い。


家が大きすぎるせいで、周囲に、人は通らないし。


パーカーみたいなものに埋もれてるけど……近づいて、ぺラッと、布を捲ってみた。


体を丸めていたのは、痩せ細った少年が二人。


兄弟だろうか、もう一人の方は、小さい……。


どっからどう見ても、刺客ではなく。


これは、助けた方が良さそうで。