「……」
自慢ではないが、私は別に怖いと思ったことがない。
お化け屋敷は平気だし、勿論、心霊系も大丈夫。
虫だって、何ともないし……
人間関係は、築いてないから。
怖いものはないはずだ。
驚くこともないはずだ。
なのに、人が家の前で倒れていたのには、驚いた。
助けるべきか、否か、迷う。
コレが罠だったら、父さんに怒られるし。
でも……見捨てた方が、後味悪い。
家が大きすぎるせいで、周囲に、人は通らないし。
パーカーみたいなものに埋もれてるけど……近づいて、ぺラッと、布を捲ってみた。
体を丸めていたのは、痩せ細った少年が二人。
兄弟だろうか、もう一人の方は、小さい……。
どっからどう見ても、刺客ではなく。
これは、助けた方が良さそうで。


