☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




(長男の神楽(かぐら)は、中々に、良い男なんだけど……)


現在、焔棠組若頭・焔棠翔の付き人である。


(甲斐の弟の千歳も、怒ると良いのよね……)


別に、変な趣味でもない。


単純なる、純粋な興味だ。


時雨は千歳の長男で、魅琥は長女だけど……似てなさすぎる。


これは、千歳の妻の柚香にも似てない。


(どっちかに似てたら、面白いのになぁ……)


なんて、不謹慎だろうか。


でも、本当に、良い男なのだ。


一生、連れ添う伴侶としては、別に、タイプではないけど。


両親の仲良い姿は、昔から見てきた。


だから、夫婦がどういうものかはわかる。


でも、特に、恋には興味がないのだ。


私には、家族がいるから。


今まで通り、会社を興すために準備をしなければ。


(その為には、優秀な男がほしいのよね……)


会社のためなら、恋も愛も要らない。


私は、夢を叶えたい。


友達に裏切られ、散々、泣いて、思ったのだ。


人を相手するよりも、自分のやりたいことをしようと。


だから、まさか、初対面であんなことを言われるとは、思わなかった。


それが、運命になることも。