「……はぁ」


面倒臭さに、ため息をつく。


自分で言ってくるならまだしも、他の人間の手を借りるしかないなんて、弱すぎる。


すると、憤った女たちが手を振り上げてきて。


「なめてんのっ!?」


大人しく殴られても良かったんだけど、私はその手を掴み、止めてしまった。


「なっ……」


彼女たちは驚いているみたいだけど、どうして、私がそういう教育を受けていることに考えが及ばないんだろう。


「……話が通らなかったら、暴力?あんたたち、相当偉いのね」


権力を持っているからどうってことはないが、私はこういう人間が、最も嫌いである。


「だって、あんたが……っ!」


「いつ、私が、どこで、何をしたっていうのよ?優之介?だっけ?そいつに、私が告白でもした?」


「っ」


「私、その人とは挨拶を交わしたことしかないはずなんだけど。しかも、一、二回程度。そんなんで近づかないでと言われても、近づく気もないし、興味もない」


私は、やりたいことがある。


こんな下らないことに、時間を避けないんだけど。


「あと、顔、だっけ?悪いけど、これは遺伝なのよ。父からの。母に似たとしても、母も綺麗な顔だから……どっちにしろ、あんたたちの願いは叶えられない」


大体、顔とか、どうでもいい。


「整形してほしいなら、してあげるから、お金を頂戴。ただし、その前に、あんたたちが私の両親に許可を取ってよね」


でも、顔は仕事道具として必要なものだし。