「っ……!」
「……今、ここで慌てたって、何にもならない。今の手紙には、何が書いてあったの?」
「…………『双子を、傷付けるのは楽しい』って……」
ガクガクと、見てわかるほどに震える沙耶。
(……沙耶をこんな目に遭わせた犯人、殺しても良いのかな……)
裏で人一人くらい、始末するのは簡単。
多分、たまにしてきたことだし。
犯人の楽しいってことは、双子が犯人の手の内にいないとできないことだ。
でも、時間的にそれは不可能。
だって、沙耶は昼に柚香に頼んだのだから。
それからたいして時間が経っていないのに、その間に、手紙を三通送りつけ、そこに書いてあることを行うのは、実質的に厳しい。否、不可能である。
現在、時刻は午後七時。
秋であるから、流石に、外も真っ暗で。
沙耶も心配になったのだろう。
そこに、こんな手紙だ。
混乱するのも、おかしくはない。


