「う~」
「え!?美耶ちゃん!?どうしたの!」
涙が、ボロボロとこぼれてきた。
安心からくる涙は、頬を伝う。
「うぅ~」
「美耶ちゃん、タンマ!もう、怖くないから!絋が助けてくれたから!!」
どうして、自分はこうなんだろう。
他の兄弟はみんな、強いのに。
私はどれだけ努力をしても妹に勝てないし、泣き虫で。
強くなりたいのに。
「うー、絋ぉ~」
「確かに、女の子には辛いよね。本当、誘拐犯も他の兄弟を狙えばいいのに」
「絶対、返り討ちにされるだろ。何のために、絋がつけられていると思ってんだよ。絋が、悠哉さんと互角だからだろが」
絋の名前を呼ぶ私の横で、二人は話はじめて。
煌月くんは、私の背中を撫でながら、私を宥めようとしている。
心配させたくないし、泣きたくない。
だから、泣き止まないといけないのに、涙が止まらない。
「ご、ごめっ……ごめ、なさい……絋ぉ~」
「わー!美耶ちゃん、これ以上、泣かないで!マジで!タンマ!!」
「―何やってんだ」
慌てる煌月をよそに、絋は戻ってきて。


