「聞いてんのか!?ああっ!?」


凄まれても、何もできない。


私は怖がることしか、出来ない。


男の一人が、私の胸ぐらを掴んだ。


苦しい、苦しい。


息が、出来ない。


「わりぃな。あるお方から、頼まれているもんで……」


「やめっ……ぁ」


痛い。


身体が、痛い。


どうして、私は何もできないんだろう。


どうして、手を借りなければならないんだろう。


息苦しさに喘いでいると、低い声が……。


「―手を、離せ」


聞きなれた声の持ち主が、私を掴んでいた男の肩に触れた。