☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「―心配なんですよ。あんた、どこか抜けてるから」


「……」


「知らない人に騙されて、すぐにフラーッと消えそう」


「……どういう意味?」


「そのままの意味です」


「……」


「おまけに、ドジだし。こうと思ったら、突っ込んでいくし。少しは、女らしさを身に付けたらどうですか?」


「余生なお世話だっ!!」


すぐに、いつものパターンとなる。


「それ!あんたの部屋に置いておくから、貸して!」


学校持って帰ってきた来たらしい、大袋を指差す。


「いや、遊びに行くと言ってないです」


「良いから!」


「お金、家ですし」


「ほら、五万!」


「いや……どこの世に、主から金をふんだくる護衛が居るんですか」


呆れた絋の視線を受け、私は顔を背けた。


「良いから!お小遣い!」


万札を手で掴んで、絋に押し付ける。


すると、絋が訝しげな目でこちらを見ていた。


「……なに考えてます?」


「おとなしく、受け取ってよ!」


「いや、今夜、天気荒れますし。遊びに行くとか……」


私の考えをお見通しとばかりに目を光らせる絋。