「―美耶!」 名を呼ばれ、私は顔を上げる。 駆け寄ってくるのは、絋。 勿論、級友と一緒だった。 「絋」 私は軽く手を振り、駆け寄ってこなくて良いと命じた。 すると、絋は足を止める。 「絋、遊ぶなら、遊んで帰ってきて良いのよ?」 「いえ。仕事中ですから」 「放課後くらい、自由になさいな」 「しかし……」 「自分で帰れるわよ。心配しすぎ」 いつものパターン。 そして、ここまでは普通の主従の会話。 だけど。