☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




『何か、欲しいものない?』って。


彼は、私を上から下まで見て……


『…………特にありません』


と、そっぽを向いた。


絋のその行動は意味がわからなかったが、


『……貴女の身長が伸びることを祈りますか?』


すぐにそう言われ、


『余計なお世話っ!』


と、私がキレてしまったので、中学の担任に話を聞き、絋の希望進路を調べたのである。


すると、光陽学校と、答えられた。


だから、私は近くの女子高に進学を決めたのだ。


傍を離れることは、絋の立場上、許されないから。


私の言葉に目を見開いた絋は、もう、何も言わなかった。


そして、進学して、半年。


私は男子がいなければ、普通の生活を送れることを知った。


女子高は、それなりに快適だった。


やっぱり、人に囲まれることは避けられなかったけど、絋が級友と楽しそうだったから、私は嬉しかった。


―分かってた。


この感情を、恋って呼ぶこと。


でも、今更、素直になれるはずなんてなかった。