☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




そんな絋が初めて怒鳴り声をあげたのは、中三の時。



『女子高に行くって……あんた、何考えてんですか!』


『良い学校だと思ったから、そこに行くの』


『相馬さまがお許しにならなかっただろう!?蒼繚華に進学が約束で……っ』


『絋』


私たち兄弟は、高校からは蒼繚華に通うよう、言われて育ってきた。


でも、私はすべてを完璧にすることを条件に、中学校に近い女子高に進学することを決めた。


『もう、決めたことなの』


私がそれを告げると、彼はもう、何も言えない。


わかってて、私は使ったんだ。


使いたくなかった、権力を。


『っ、なんで、勝手に……』


『絋に黙って動いたことは謝るわ。でも、私はこういう選択が良かったの。貴方には、光陽学校に進学して貰う』


でも、使わざる得なかった。


正直に話しても、彼は納得しないだろうから。


昔から、出逢ったときから、彼は色んなものを犠牲にして、私を庇ってくれた。


人の悪意からも、危険からも。


だから、彼の願いを、何か叶えたかった。


だから、尋ねてみた。