『俺は貴女様の護衛兼側仕えです。一ノ瀬絋と申します。何でも言ってくれて、構いません。宜しく御願いします』 『うん。……宜しく、絋』 これが、始まりの日。 それからというもの、色んなことがあった。 教育を受け終わった私を待っていたのは、厳しい現実。 虐められても、どんなに苦しくても。 『傍にいますから、もう、木に登らんで下さいね』 と、言って、絋は傍にいてくれた。 立場的に私を庇わなければならない絋も心苦しい思いをしていただろうに、絋は何も言わなかった。