『ねぇ、お願いしたいことがあるんだけど』 『はい、なんなりと』 9歳とは思えぬ行動力で、膝掛けも用意してくれた彼。 見た目は、やんちゃな男の子なのに。 雰囲気が、御園の子供と匹敵していた。 『二人きりの時は、素で話してほしい』 『……』 『それと、お嬢、なんて、嫌いだから。だから、やめてほしいの。……ダメかな?』 それが、私の唯一のわがままだった。 何を言っても、言われることに従っていた私の唯一のわがまま。 私がお願いすると、彼は笑った。 『御意』 そして、跪く。