私を立派な御園の名に恥じぬ、御園の人間にするためにしつこく、あとをつけ回していた大人達に、私はうんざりしてた。
いくら、御園相馬の娘といっても、もう少し、自由な時間が欲しかったのだ。
朝起きてから、縛られる生活。
息苦しくて、仕方がなかった。
でも、私は……私たち兄弟は恵まれていたと思う。
稽古の合間などに、お父さんとお母さんが会いに来てくれていたから。
ひどい場合は……お父さんが教育を受けていたときは、放置だったらしいから。
ごめんね、と、謝りながらも、私たちを愛し、大事にしてくれる両親の期待に応えたくて、私たちは頑張っていた。
2歳……または、3歳で始められる、特別教育。
男は5年、女は7年。
出会った当時、9歳だった私は3歳で教育を開始したので、あと2年、教育期間が残っていて。
あと2年、私は世間に関わりを持てないのだと、幼いながら、私は理解していた。


