☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3





「二人はとても仲が良く、いつだって、一緒にいたんです。ある日、恵斗が逢佳に告白をし、めでたく、お付き合い開始しまして。とても喜ぶ恵斗に愛しさを感じていた、逢佳でしたが、恵斗はルックスも良く、優しくて、勿論、成績も、運動神経も良く。学校での人気者で、モテる要素しかなかった恵斗は、逢佳を幼い頃から好きだったので、いつも、告白を断っていた。そんな恵斗がいきなり作った、彼女。嫉妬は全て、逢佳に向かい、恵斗が気づいたときには、逢佳はボロボロになっていて……」


幼馴染みなどではないが、誰かさんたちに重なるような物語である。


最も、虐めを受けてもへっちゃらって感じの人だけど。


「恵斗に心配をかけないため、いじめを黙っていた逢佳だったんですけど……とうとう、耐えられなくなって」


女は、男にそれをすべて訴えたという。


それ後、女を溺愛していた(らしい)男の怒りは、簡単なもので収まらず。


「……恵斗は、逢佳を虐めていた人間たちに、残虐なほどの復讐をするんです」


当たり前の結末だ。


父さんだったら、人生を詰ませるだろう。


けど、一般人からすれば……これは、異常な感覚。


「“愛”って、怖いですよね」


俺のなかで当たり前のことは、目の前の女に通じない。


女はそう言った後、軽く焦りながら、口を手で覆った。