「あのねぇ?強ければいいって、問題でもないのよ?昔から思ってたけど、なんで、そんな条件なのよ?」
「だって、お金はあるもん。家もあるし、働く先もある。無いものと言ったら、強さと医者」
「……家に、すべてを捧げる気?」
「そういう訳じゃないわ。やりたいことはやってるし。ただ……お父様の役に立ちたい。あの人は殺しても死ななそうだけど……安心させてあげたいのよ。お父様にとって、私たちにとって、あの病院は形見だもの」
遺され、受け継がれていく病院。
今もそこに人が集まるのは、彼らの人望と腕の良さ。
「……なるほどね」
妹であるがゆえ、すべての事情を把握している母さんは息をついて。
「相馬に頼むわ。ただ、あいつ、今……サンフランシスコ?にいるからさ。少し、時間がかかる……って、うわっ!」
「ありがとう!叔母様‼」
嬉しさのあまりか、抱きついた葉月。
母さんはよろめき、なんとか、踏み留まって。
三人に、目を向けた。


