「珍しいもの。……何があったか、千尋と夕梨は判る?」


「ゴメーン、私、その時はマンションにいたんだよね……ちょっと、ごたつきまして」


「毎週、休日は本家に帰る水樹が?珍しいね。日曜日になっても、マンションにいたなんて」


夕梨の伴侶は、水樹……相馬の弟である。


私達が今年で21だから、ひとつ上の相馬は22。


なら、水樹は、20だな。


周囲に人間が多すぎて、たまに、相手の年を忘れそうになるが、自分を基準にしておけば、忘れることはないと気づいた。


気づいた日から、取り入れてみたんだが……


そうなると、夕梨は今年で23である。


「そうなんだけどね……その、ちょっと……私が、起きられなくて……」


「早寝、早起き、朝御飯の鏡のような夕梨が!?それにも、驚きだよ!」


語尾が段々、萎んでいったので、具合でも悪いのかと思えば、千尋が突っ込んだ。