大きくなって、気づいたらしい。
自分の理想とする男性は、この世にいないと。
「理想が違うのなら、結婚したらダメよ。愛せそうな人と結婚しないと」
「分かってる!分かってるけど……このままじゃ、大学を卒業する前に結婚させられちゃう!」
「勇兄に嫌だって言えば、させないんじゃ……?」
「嫌だけじゃ済まないのよ!お父様は!理由を聞いてくるわ!それで、私が漏らしたら、どうなる?ストーカーされてて、怖いから嫌ですって?そんなことを言った日には、相手の血祭りだわ!」
元ヤンであり、母さん同様、祖父に育てられた勇真さんはめちゃくちゃ強い。
確かに、血祭りが始まるかも……
「血祭りは不味いな」
「でしょう!?それに、お父様、お医者様だし!」
「治す側の人間が傷つけちゃ、ダメだってこと?そこら辺は、心配しなくていいと思うわよ?勇兄がそんなヘマ、するわけがないもの。どうせ殺るなら、分からないように殺るわ」
ニッコリと微笑んだ母さんを見て、同じ人に育てられただけあると思う。
おかしい。
同じように育てられたはずの、もう一人の伯父はここまで、血の気は荒くないんだが。
因みに、もう一人の伯父とは、黒橋建設の現総帥である、黒橋大樹のことである。


