☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




誰に似たのか、昔から、頑固で……何かある度に、うちを訪ねてきていた。


「だって……私、四姉妹だもの……」


松山勇真には、四人の子供がいる。


まさかの全員、女。


つまり、跡継ぎがいない。


「私は長女だから、婿をとらなくちゃならない。そして、家を継がなくちゃならない!」


「それで、結婚!?」


「求婚されてるだけ!でも、好きになれそうな人が、どれも違うのよ……」


葉月の父、勇真さんは有名な医者だ。


姫宮と並ぶほどの技術を持ち合わせていて、した手術はどんなに難しいものでも、失敗しない。


おまけに、気さくで明るく、誰にでも慕われる人で、人気者だ。


そんな彼の父である久貴さんが、事故で亡くなったときは……凄い、騒動だったと聞く。


勇真さん同様、人に愛されるお医者様だったらしい。


勇真さんは久貴さん死後、病院と莫大な資産を受け継いだ。


技術的に名を広める松山病院は、姫宮病院同様、医者志望の人間が入りたがる病院である。


おまけに、松山病院の跡継ぎはいない。


それこそ、目の前で騒ぐ、葉月以外は。


葉月のしたの下の妹たちは、まだ、幼い。


で、あるから、必然的に、葉月の選んだ男性が松山を継ぐことになる。


それを幼い頃から知った上で、素敵な男性との結婚を夢見ていた葉月は、現在、19歳。


そして、蒼繚華学園大医学部、一年である。