「―叔母様のバカー!!」
近くの草木が揺れ、飛び出してきた女。
「ちょっ……葉月!!」
「ヤダヤダヤダヤダ!絶対に、帰らない!」
「いい加減にしなさい!ここにいるのは、構わないけど……ここに逃げ込んでたって、何も始まらないでしょう!?勇兄ちゃんに言いな!嫌なら、嫌って!」
「そんなことを言う暇もないほど、ストーカーされてるの!だから、叔母様に助けを求めに来たの‼お父様とお母様に相談すればいいのかもしれないけど……お父様、加減を知らないんだもの‼」
日光に輝く、茶髪。
腰のところまであるそれは、風に靡く。
「加減を知らないのは、認めるわ。恐らく、半殺しじゃすまないわね」
「だから、叔母様のもとに来たんでしょ!」
大きく、パッチリとした瞳。
輝くのは、瞳に溜まった涙のせいか。
「結婚が嫌なら、嫌でいい。でも、何で、その流れで、いい相手を探して!になるの?」
唇を噛み、肩を震わせる葉月。
彼女は母さんの義兄である、松山勇真の長女である。
つまり、俺の従姉。


