「……そういや、どこに泊まるんだ?」
ふと、喜んでいた悠誠さんが圭吾に尋ねた。
圭吾は、首かしげて。
「どこ?」
俺に、聞いてくる。
「どこでも良いけど……どこにする?柊真」
「俺も、どこでも良いんだよね。でも、どうせなら、料理の美味しいところ?」
「それでも、選択肢がありまくる」
京都ないだけでも、片手で数えられない屋敷持ちの俺達。
全ては、色んなことがある度に買い取ったりとか、建てたりとかした、先祖のせいである。
「まず、俺んちか、冬哉んちか……」
「もう、俺んちでよくねぇ?」
面倒くさいが一番の理由だが、何より、姫宮だと……崇められ過ぎて、疲れる。
「良いのか?」
「無駄に、部屋はある。良いだろ」
「んじゃ、そっちに行くか」
「ああ」
御園本家。
現在の、俺の住処。


