□夏翠side■
「えーと……いらっしゃい」
それしか、言うことがなかった。
「あ、夏翠ーやほー!」
「……澪、これは何があったの?」
姫宮本家、東棟4階の摂待Ⅶの部屋。
使用人に言われ、来てみると、何故か揃っている面々。
「えっとねー、夫婦喧嘩!」
「えっ、相模と澪が?」
仲が良い……と、いうか、そもそも、相模自体がケンカするようなタイプじゃないのに。
「まさか!うちは、ラブラブですよ~今回ケンカしたのは、沙耶ちゃんと相馬くんでーす」
「………………また?」
よもや、それしか言えないのは、私だけではあるまい。
「夏翠、そんなに溜めんな」
そんな私に突っ込んだのは、千尋。
「いや、だって……どうせ、また、相馬がしょうもないことを言ったんでしょ?」
「……それは、知らん。なんか、泣いてたし……」
「沙耶が!?」
「……そこは、食いつくんだな……」
沙耶が泣いていたなんて、よっぽどのことである。
普段から、気丈で笑っている沙耶が人前で泣いたのだ。
柚香や、相馬以外の前で。
「えーと……いらっしゃい」
それしか、言うことがなかった。
「あ、夏翠ーやほー!」
「……澪、これは何があったの?」
姫宮本家、東棟4階の摂待Ⅶの部屋。
使用人に言われ、来てみると、何故か揃っている面々。
「えっとねー、夫婦喧嘩!」
「えっ、相模と澪が?」
仲が良い……と、いうか、そもそも、相模自体がケンカするようなタイプじゃないのに。
「まさか!うちは、ラブラブですよ~今回ケンカしたのは、沙耶ちゃんと相馬くんでーす」
「………………また?」
よもや、それしか言えないのは、私だけではあるまい。
「夏翠、そんなに溜めんな」
そんな私に突っ込んだのは、千尋。
「いや、だって……どうせ、また、相馬がしょうもないことを言ったんでしょ?」
「……それは、知らん。なんか、泣いてたし……」
「沙耶が!?」
「……そこは、食いつくんだな……」
沙耶が泣いていたなんて、よっぽどのことである。
普段から、気丈で笑っている沙耶が人前で泣いたのだ。
柚香や、相馬以外の前で。


