☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「あの、バカ息子」


圭吾の後ろ姿を見て、舌打ちしたお父さん。


そんなお父さんに近づいた柊真は、


「少し、お話良いですか?」


と、奥に、お父さんを連れていってしまう。


(あの笑顔……何を交渉する気だか……)


悪いことはしていないことはわかっているが、あいつの笑顔は本当に危険である。


「濃いなぁ、圭吾んち」


ふと、龍生がそう言った。


「それは納得」


横にいた良太も、同意する。


「……柊真と柏原も、何かを隠してるっぽいし」


その言葉に、心臓が弾む。


「……別に、何をバラされても、普通に友達でいる気満々だからな。俺ら」


でも、次に言われた言葉に、俺は素直に驚かざる得なくて。


「…………え?」


聞き返すと、当たり前みたいな顔で、二人は。


「ずっと、友達だ。何があってもな。そう、約束したろ?それに、俺はお前らのこと、好きだぞ」


龍生は照れ臭そうに、そう言って。


「俺も、好きだよ」


まるで、どこかの恋愛映画のワンシーンのように、二人は俺に微笑んでくる。


その状況が、おかしくて。