☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



***


「京都!?」


「うん」


学校帰り、夏休みの合宿について知らせると、楽しそう!、と、笑った三人。


合宿期間にも驚いてたが……場所にも、驚くらしい。


「きょ、京都って……そんなところに、夏休み中いるのか!?」


「うん。大丈夫、三人の両親には許可をとるから。着替えとかを準備してくくれば、それで……」


「ってか!今まで、住んでた屋敷が仮住まいだと!?」


「……そこ?」


「あんな、豪華できれいなところ……羨ましい!」


発言からしてバカっぽいが、楽しそうな二人は、まるで弟妹のよう。


いや、弟妹よりも子供っぽいかもしれない。


うちの弟妹は、大人びすぎてるから。


「……調教のしがいがあるよね。ってか、秘密ばらしたら、失神するかも」


と、いうか、二人の会話を聞いて、小さな声で呟く柊真のほうが、怖い。


あんなに優しい夏翠さんと、飛鷹さんから生まれたのが、何故、この男なのか……本当、謎である。


「―あ、ついた」


ふと、黙っていた圭吾が、そう言った。


圭吾が指差した先……そこは、大きな家。


「ただいま~」


「―あ、帰ってきた!このバカ息子!なんなんだ、このメールは!」


圭吾が家に入ると、飛んできたのは罵声。


「書いてある通りだよ。ちゃんと、勉強してくるから」


「そうじゃなくて、蒼繚華だと!?」


「良いだろ?俺の将来なんだから」


「お前、自分の頭、わかってるのか!?」


「分かってる。でも、限界までやってみてぇんだよ。無理だって諦めるんじゃなく、最後まで。勿論、ちゃんと、滑り止めは受ける」


「だが……っ」


「―まぁまぁ、良いじゃない、父さん」


父親の言葉に、自分の意思で返す圭吾。


それでもなお、食い下がる父親を止めたのは。