☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「でしょう?周囲の言葉に、『金持ちだって、怪我ぐらいする。もし、その怪我で死んだりしたならば、自分の運がそこまでだったという話でしょ』と、言い放って……父さんに呆れられてましたからね」


「ハハッ、強いな」


「ええ。母さんは、強いです」


母さんにあったことのあるこの先生は、一番に家族の幸せを願ってる。


「……にしても、何で、いきなり、蒼繚華なんて……」


「柊真がお願いしたんですよ。脅したんじゃなくて、お願いです。そしたら、三人とも行く気になっちゃったて。まぁ、赤点常連でも、問題をちゃんと押さえればなんとかなるでしょうし……」


「あそこ、運動面でも入れるよな?確か」


「はい。それなりの条件をクリアしていれば、ですが」


「それを使えば、三浦は行けると思うんだが……」


「圭吾ですか?」


「ああ。あいつ、家が道場だから……空手の有段者のはずだ。だから、体育の成績は良い。体育の成績は」


わざわざ、二回言った先生は、頭をかいて。


「……ま、あいつらの将来だしな。受かろうが、どうなろうが……俺は、全力で助けるしかねぇか。教師として」


「……ですね」


「……もし、藤島が何かしようとしたら、止めてくれよ」


「分かってますって。でも、裏口入学とかはあり得ないと思います。あいつに限って」


「それもだが……」


言い淀んだ先生を見て、合点がつく。