「そうか?」
「そうだよ。昔から、欲しいものは、冬馬に譲ってたでしょ?」
「……あいつは、すべてを背負うから。それに、『お兄ちゃん』と慕ってくる姿が、可愛かった」
「……今は?」
「反抗期、かな……「はぁ……っ!?」」
冬馬は、一個下の弟。
まだ、中学生だけど……我が儘を言って、蒼繚華に通っている。
最近、反抗期に入ったらしくて、母さんが手を焼いていることを話そうとした瞬間……聞こえた、叫び声。
「小林先生!お静かに!」
「あっ、はい!すいません」
我らが担任の、小林悠希(はるき)先生である。
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