☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「そうか?」


「そうだよ。昔から、欲しいものは、冬馬に譲ってたでしょ?」


「……あいつは、すべてを背負うから。それに、『お兄ちゃん』と慕ってくる姿が、可愛かった」


「……今は?」


「反抗期、かな……「はぁ……っ!?」」


冬馬は、一個下の弟。


まだ、中学生だけど……我が儘を言って、蒼繚華に通っている。


最近、反抗期に入ったらしくて、母さんが手を焼いていることを話そうとした瞬間……聞こえた、叫び声。


「小林先生!お静かに!」


「あっ、はい!すいません」


我らが担任の、小林悠希(はるき)先生である。